大津地方検察庁襲撃事件

昭和25年12月07日 衆議院 本会議
[058]
自由党(自由民主党) 田嶋好文
最近、神戸、名古屋、大津、京都、神奈川、栃木、岩手その他全国的に、朝鮮人を中心とする日本共産党の組織的な内乱事件ともみなすべき事件が発生いたしております。また今後も同様事件が続発せんといたしておりますので、私は自由党を代表いたしまして、政府当局にその所信をたださんとするものでございます。

(略)

大津におきましては、12月1日、大津地方検察庁を、約200名前後のものが再度にわたって襲いまして、警官隊と大乱闘を演じ、わが検察史上類のないところの大事件を引起しておるのであります。





昭和26年02月01日 参議院 地方行政委員会
[006]
委員長(無所属) 岡本愛祐
次に、昨年12月17日より23日に亘りまして、神戸、京都、大津、名古屋における朝鮮人自由労務者その他の騒擾事件の調査に、本委員会から吉川(※末次郎。日本社会党)、竹中(※七郎。国民民主党)、石村(※幸作。自由党)の3委員に御出張を願いまして御調査を煩わしたのであります。その御報告を承わりたいと存じます。

[007]
日本社会党(社会民主党) 吉川末次郎
只今委員長のお話がありました神戸、京都、大津及び名古屋、当時なお膝元の東京都においても同様な、主として朝鮮人を中心といたしますところの一種の騒擾事件が起りまして、院議に基きまして我々3人が神戸、京都、大津、名古屋に出張を命ぜられまして、その事件のいきさつ等につきまして、調査をいたしました結果について御報告申上げたいと思うのであります。

(略)

第1には、これら各地におけるところのこの騒擾事件というものが、非常に計画的に行われたということであります。即ち同時多発的に、ほぼ時を同じうして各地に事件を起しまして、そうしてその目的は警察力の分散を狙ったと見られるのでありまして、即ち今お話申上げませんでしたけれども、名古屋の愛知県庁に対するところの集団デモ事件と、神戸の只今報告いたしました長田区役所及び長田税務署襲撃事件等はいずれも11月の27日であります。

それから名古屋におきましては翌28日にも、これを繰返しているばかりでなくして、11(※12)月の1日に起りました大津地方検察庁に対するデモ事件は、彼らの当初の計画では11月28日に決行する予定であったと言われておるのであります。

更に27日当日、京都におきましては先に日本共産党京都府委員会が開催されまして、井上電機の犠牲者、レッド・パージを受けました犠牲者であります。それの奪還祝賀大会というものが計画されておりましたのですが、その集会の許可が与えられなかったので、共産党の公開党大会と称しまして、個々の参集者500名が気勢を挙げたのであります。

又12月1日大津事件の当日は、競輪が催される予定でありましたので、大津市の警察はそのほうに警備が割かれるだろうというようなことを予定した。併しながらそれは雨天のために中止されたのでありまするけれども、そういうことを非常に狙ってやっておるということが、当局からは報告いたしておるのであります。即ち以上申しましたようなことにおいて、非常に計画的である。そうしていわゆる同時多発的な戦略で以て、それを同時にやったということが窺われるのであります。

(略)

又各地で各種各様の問題をとらえまして陳情、要求、抗議等を名として、デモ行為から集団暴行、騒擾事件になるようにいたしておるのでありまして、要求事項は、例えば12月1日に大津の地方検察庁に対するところデモ事件の際に、庁内に撤かれました朝鮮語によるとこのビラの内容の一端をここに翻訳したものによりまして御報告いたしますと、このようなことが書いてあるのであります。

吾等は次のことを要求する。
一、夫の賃金では食って行けない。
一、寒さを凌げる内職をよこせ。
一、貧困な同胞に正月を越せる物品を無料で出せ。
一、米代を上げるのは反対だ。
一、失業者に家賃、電灯、水道、米代を無償でせよ。
一、生活保護法を適用せよ。
一、朝鮮児童に教育補助金を出せ。
一、先生に越冬資金3カ月分を出せ。
一、昼食のかけを認めよ。
一、炭、毛布等の越冬物資を出せ。
一、にんにく、唐辛、胡麻、塩辛、白菜を出せ。
一、商工業者に無担保、無利子の資金を借せ。
一、貧困者より一切の税金を取るな。
一、職安労働者に食える賃金1日300円を出し、一切の失業者に職を与えよ。
一、朴光海、岡田を初め、あらゆる愛国者を即時釈放。
この朴光海、岡田というのは、これはこの指導者でありますが、それが大津におきまして検束されておるのであります。
一、朝日人民間の離間を策動する八幡の暴力団捏造事件を即時取消せ。
一、何の根拠のない救護資金の捏造事件を即時中止せよ。
一、あらゆる捜査に外国人登録証を悪用するな。
一、今回の事件に誣告、中傷をし、同胞を日警に売らんとする居留民団を叩きこわせ。
一、義勇軍募集絶対反対。
一、国連協力の美名をかり、朝鮮内戦に対し干渉反対。
一、戦争反対、ピストル政治は真っ平。
一、一切の外国軍隊は朝鮮より手を切れ。
一、自由平和独立を守ろう。

というようなことであります。そこで旧朝連系の朝鮮人と共産主義勢力とが連携合作して、そうして事件の主導力を握っておるということは明らかでありまして、各事件で検挙されました者の顔触れ、経歴などからそのことが十分窺われるのであります。





昭和26年02月02日 参議院 厚生委員会
[022]
委員長(日本社会党) 河崎ナツ
去る12月中に議員派遣をいたしまして調査を行いました神戸、京都、大津、名古屋各地方における朝鮮人騒擾事件に関連いたしまして、生活保護法の適用の実情について、派遣議員の報告をお願いいたしたいと存じます。

最初の2カ所は、参りましたのは私(※河崎ナツ。日本社会党)と藤森(※眞治。無所属)委員でございますが、最初の2カ所は、事情で私が報告させて頂きます。

(略)

昨年12月1日においては鮮人3名が大津の検事正に面会し、被検束者の即時釈放、武装警官の出動排斥等を要求中、女子30人、学童50人くらいで2度に亘って検察庁に押しかけ、革命歌を歌い、スクラムを組み、警察官と乱闘、投石して庁舎の窓ガラス37枚を破壊し、警官に14人の負傷者を出し、遂に51名が検挙されたが、そのうち大津在住の者は16名で、他は県下の各地から集合して来ております。これはあらかじめ連絡して計画的に行なったのであります。鮮人学校の学童が事件に参加しておりますが、彼らは非常に勇敢で敏捷に警察官にバッタのごとく飛び付き格闘しています。





昭和26年02月07日 衆議院 地方行政委員会
[076]
日本共産党 加藤充
私は質問しようと思うようなことも持って参りませず、またお話の間で質問を拾うような形になりまして、たいへん不見識でもあり、恐縮に存ずるのでありますが、一点お願いいたしたいと思うのです。

それは大津の朝鮮人の騒ぎの問題ですが、私はあの問題について裁判所側の方の意見を、いろいろ聞いてみたりしたことがあるのです。それは正式なものではありませんが、そうするとずっとここ2年来、あそこの警察と検察庁がずいぶん無理な検挙と、起訴をやっておる、勾留をやっておる。こういうような事実が判明したのですが、これの詳細はここで申し上げませんが、そういうふうなことは、このたび政府でもあなたの手元で、大津の事件などにつきまして、いろいろ報告があったと思いますが、あの騒ぎの原因の少くとも一つの中に――そういうふうな情報があなたの方に入っていますか。

[077]
法務総裁(自由党) 大橋武夫
全然聞いておりません。

[078]
日本共産党 加藤充
それではこれはきょうしてもしょうがありませんから、そういう重大な問題があるので、これを個人的にも、また個人でなく議員としてでも、大橋さんにぜひそのことを申達しなければならない義務を私は持っておると思うのです。その機会をつくっていただきたいと思います。

[079]
自由党(自由民主党) 河原伊三郎
関連して……。

私は滋賀県出身で、相当滋賀県のことには詳しいつもりでありますが、滋賀県の朝鮮人連盟は、長年にわたりまして、全国でも暴力的な面におきましては、その最先端を行くと言うても過言でないくらいに、非常に県民の顰蹙を買っておったものでありまして、ただいまの質問の要旨とは実情は大分違うように、私どもは看取しておるのであります。





昭和26年03月09日 参議院 法務委員会
[001]
委員長(自由党) 鈴木安孝
本日は先般行いました議員派遣中、朝鮮人騒擾事件に関する件につき、派遣議員の報告をお願いいたします。

[002]
自由党(自由民主党) 長谷山行毅
神戸その他の地におきまする朝鮮人の集団暴動事件の調査の結果を私から御報告を申上げたいと存じます。

昨年の11月から12月にかけまして、神戸その他関西地方に朝鮮人の集団暴動事件が頻発いたしまして、多数の検挙者を見たのでありまするが、ときあたかも朝鮮におきましては、北鮮軍が中共軍の後援を得まして、頽勢(たいせい)を挽回しまして、韓国軍を南方に圧迫して来たときでありますし、而もこれらの事犯は、財産接収反対とか、或いは公務署の不法侵入、或いは公務執行妨害等、反権闘争的反抗でありますので、時局下かような事犯の実態を調査いたしまして、事件の真相並びにその原因を明らかにし、且つこれに対しましての検察の当否、並びにその警察制度のありかた等を研究し、同時にこの種の事犯に対する予防鎮圧の政策、資料を見出すことは、極めて緊要なことであり、かような調査によって今後の治安維持の確保に資せんとするのが、本調査の目的であったのであります。

そこで当法務委員会におきましては、昨年12月上旬に本国会の劈頭、この朝鮮人騒擾事件を、先に調査承認を得てあります検察、裁判の運営等に関する調査の一環として取上げることの決定を見まして、又院議によって宮城(※タマヨ。無所属)委員、須藤(※五郎。日本共産党)委員、それに私(※長谷山行毅。自由党)の3議員が実地調査のために現地に派遣さるることになったのであります。以下派遣議員といたしまして、現地において調査いたしましたところを御報告を申上げたいと思います。

調査地は名古屋、大津、京都、神戸の4市で、この4カ所を中心といたしまして、11月中旬から12月中旬に発生いたしました朝鮮人の暴動事件の真相並びにその原因、及びこれが予防鎮圧、検挙のためにとられました地方警察及び検察陣の行動を調査の主眼として調査いたしたのであります。

先ずこの事件の概要を申上げたいと思いまするが、これは時間の関係もありますので、このお手許に差上げてありまする神戸、京都、大津、名古屋における朝鮮人騒擾事件の調査報告書摘録、これをお読み願いまして、これが我々の調査した事実関係でありまするが、更にここに附加えて申上げたいのは、この調査報告に対しまして、私どもが調査したその結果について何か結論的なものをもまとめまして御報告申上げたいと思ったのでありまするが、それに対しまする見解が、委員間に異なるものがありましたので、この摘録には事実だけを書いて御報告した次第でありまして、これに対する見解につきましては、調査委員の各自から申上げて、この委員会において御決定を得たいというふうに相成った次第であります。

(略)

騒乱の結果は決して偶発的なものではなくて、当初からの計画に基いておったことは明らかに見らるるのであります。又更にこれらのことを裏付けるものとしましては、各騒乱のこの参加者は、地元以外の他の地域から動員された者が極めて多いのであります。

11月27日の神戸事件では、検挙者が193名あるのでありまするが、そのうち神戸在住者というのは34名に過ぎないので、他の159名という者は他の地区から参じた者で、遠く岡山県からも来ておるのがあるのであります。

又12月1日の大津事件の検挙者は42名でありまするが、そのうち地元の者は16名で、他は県下の各地から来た者である。

かような点等を考察する場合に、これは当初からの計画に基いた暴動行為でなかったか。そしてかかる暴動行為の非合法の行為の目的が、単に生活権擁護のためにする運動にあったと見ることは、到底理解できないのであります。





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